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ノーベル賞 2012 山中伸弥所長 [・科学と技術]

京都大学の山中伸弥・iPS細胞研究所長(50)の
2012年のノーベル生理学・医学賞受賞が発表されました。


日本のノーベル賞受賞者は10年に化学賞を受賞した
根岸英一・米パデュー大学特別教授と鈴木章・北海道大学名誉教授以来
2年ぶりのことだそうです。


また
生理学・医学賞では1987年の利根川進・理化学研究所
脳科学総合研究センター長以来2人目となるそうです。


山中所長への授賞理由は様々な細胞に成長できる能力を持つ
iPS細胞の作製ですが
2006年に世界で初めてマウスの皮膚からiPS細胞を作りだし
翌2007年にはヒトでも成功していました。


このiPS細胞の特徴は心臓の筋肉や神経細胞など
様々な組織に成長できることです。


さらに重要なことは
患者本人の細胞を使うので移植しても拒絶反応が起きない点でしょう。


この技術は早くから再生医療への応用が見込まれていましたが
病気やケガで損なわれた臓器を修復出来るという夢のような技術です。


山中所らがマウスのiPS細胞の開発を発表したのは2006年。


心臓だけではなく骨・神経・肝臓・血液など
動物の体を構成するどんな細胞にも分化できる能力を持ちます。


このことから人工多能性幹細胞と名付けられましたが
iPS細胞とは英語表記に由来するものです。


もっともiPS細胞以前にも万能性を備えた細胞はありました。
それは受精卵をもとにした胚性幹細胞(ES細胞)です。


受精卵にはもともと全身の細胞や組織に成長する能力が備わっていますから
ES細胞が万能性を持つことは当然のことなのです。


ところが
山中所長らが作ったiPS細胞はもとはマウスや成人の皮膚細胞で
いったん完全に分化した細胞がわずか4つの遺伝子を導入するだけで
受精卵と同様の万能性を獲得するというもの。


通常の発生のシナリオでは
1個の受精卵が多様な細胞に分化して様々な臓器や組織を作り
個体を形成するわけです。


ところが山中所長はこのシナリオを逆転させた訳で
皮膚の細胞から万能細胞を作り出したのです。


すなわち生命のプログラムを巻き戻せることを示して
生物学の常識を覆したと言えるのです。


山中所長は今年6月にはiPS細胞を再生医療に応用する際の
最大の懸念となっていた発がんリスクを大幅に下げる手法を開発したと
発表しています。


着実に進んでいる研究に世界中の熱い視線が注がれているのです。


山中伸弥・iPS細胞研究所長と彼のチームの活躍に乾杯!


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